本「恋歌」朝井まかて

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このブログでは劇場で観た映画と、DVDやその他映像媒体にて観た作品について、個人的な備忘録も兼ね書いていますが、非常に印象的な本を読めたので書き記しておきます。


今年に入り、「舟を編む」「64」「とっぴんぱらりの風太郎」と、人気作品を読んできて、どれも噂通りの、いや噂以上の面白い作品で、大満足でした。この3作品は各々が独特な良さがあり、特に「とっぴんぱらりの風太郎」は、初の万城目学さん作品ということで、本当に面白いの⁇と疑りながら読み進めていたのですが、最後には読み終えるのもったいない、なかなかの作品でした。

それから「64」も。そ、そうなりますか!と手を叩きたくなるような展開で、正に一本取られたという気分で、何故か清々しい気さえさせられました。



そしてそして「恋歌」です。


私などは‘読書好き’と言えるほど、本を読んではいませんが、直木賞芥川賞は誰?との話題には自然と聞き入りまして、【朝井まかて】?初めて聞いたし、朝井リョウさんのインパクトは強いけど…、何より受賞作が「恋歌」って…。
やれやれ、自分から一番遠い部類の作品だろうから、読まないだろうな〜なんて思ってました。


しかし、こちらのブログ琥珀色の戯言をよく拝見してるのですが、多くの読書量の中で珍しく星5ツで評価されていまして、これは読んでみたいと思いまして。

が、それでも「恋歌」ってタイトルと幕末が舞台というだけで、気持ち的になかなか乗り切れない感があったんですが…

読み進めると、ほーんとに素晴らしい本でした。

なんと言えばいいのか…辛く 切なく 重い中に、純愛を見事に描いていたとでもいうのでしょうか。


終盤の大きな展開も含め、「恋歌」というタイトルとは裏腹にズシンと来る、読み応えのある作品でした。


今まで幕末の作品は、志士たちの熱さが、どうも伝わりきらず、苦手な気さえしていましたが、この「恋歌」では、中島歌子という歌人の人生を通し、幕末変動の熱さが、痛いほどに伝わって来ました。


こういう作品こそ、多くの日本人に読んで欲しいなぁと思いましたね〜。
朝井まかてさん、はまること間違いなしです!


さて、「恋歌」も「とっぴんぱらりの…」も、私はKindle で読んだのですが、歴史物は やはり読めない漢字や、意味不明の語句が多いのですが(私レベルで)
その語句を長押しすることにより、直ぐに辞書引きしてくれるので、読みやすかったです。しかも、「64」「とっぴんぱらりの…」は本屋さんで実際の分厚い本を見てびっくり。Kindle最高ですよ!